発達障害
自閉スペクトラム症(アスペルガー)とは
相手の立場に立つ想像や共感が苦手で周囲とのコミュニケーションに困難が伴い、感覚鋭敏、強いこだわりなどを持ちやすい傾向があります。
周囲からの理解を得られず孤立しやすいことから、うつ病を合併することもあります。また、強いこだわりやご自分のルールを守る意識が強くなると、強迫性障害を合併するケースもあります。
自閉スペクトラム症の特徴
周囲とのコミュニケーションが苦手
空気を読む、相手の気持ちを感じ取ることなどが苦手で、コミュニケーションを上手くとることができません。それによって孤立しやすい傾向があります。
毎日の生活をルーティン化する
起床から洗顔、歯磨き、朝食、トイレ、着替え、外出など日常の行動をルーティン化するケースが多いです。食べる順番がいつもと異なる、いつもと違う道で帰るなどルーティンとは違うことが起こることに拒絶反応を示したり、混乱してパニックになる方もいます。
決まった対象への強い興味やこだわり
興味が限定的であり、興味の対象へは熱中しますが、興味を持てない行動をするのには困難が伴います。
自閉スペクトラム症の治療・周りの方の接し方
自閉スペクトラム症本人にとって、「自分のことを理解してくれる」サポーター的存在がとても重要です。
客観的に見た時に不適切だと思われるような言動を優しく指摘する、苦手なことをサポートしてくれる人の存在は、大きな支えになります。
本人に合った支援を行うことで、正しい知識を得られるようになり、これまで問題となっていた言動が改善されやすくなることがあります。気になることがございましたら、お気軽に当院までご相談ください。
注意欠如多動症(ADHD)とは
ADHD(Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder)は、発達障害の一つで、集中するのが難しい「不注意」、思いついたらすぐ行動してしまう「衝動性」、じっとしていられない「多動性」などの特性があります。このうちの多動性に関しては成長に伴って改善しやすい傾向があります。
注意欠如多動症(ADHD)の症状
日常生活では下記のような特性を持つ傾向があります。
- 授業中や会議などの際に落ち着かず、ソワソワ動いてしまう
- 提出期限や締め切り、納期に間に合わない
- うっかりミスや見落としが多い
- 金銭管理に苦手意識がある
- 約束を忘れてしまうことが多い
- 人の話に集中できない、すぐに興味がそれてしまう など
注意欠如多動症(ADHD)の特徴
子どもの頃は「落ち着きがない」程度でそれほど問題なく過ごせていても、社会人になってから「うっかりミスが多い」「納期や約束を守れない」「話を集中して聞けない」などが大きな問題になって悩んでしまい、適応障害やうつ病などを併発してしまうケースもあります。つらい症状やお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。
なお、成人してから症状に気付いた際は、幼少期の行動の特徴を知ることが必要です。ご両親や周囲の方に話を聞いておきましょう。
注意欠如多動症(ADHD)に関するよくある質問
ADHDの原因は親のしつけですか?
親のしつけが原因となって生じる疾患ではありません。ADHDの発症には、行動の動機付けに関与する脳内神経伝達物質であるドーパミンの不足が大きく関与しているとされています。
社会に出てからADHDの症状で悩みが出てくるのはどうしてですか?
ADHDの診断ができるようになったのは近年になってからです。幼少期にはこうした障害に気付くことが出来ず、ADHDの症状が広く知られた現在になって、受診して診断されるケースが多くなっています。
また、仕事をしていく中では、やりたくないことを淡々とこなす能力が必要となりますが、ADHDの方はこうしたことが苦手であり、先送りにして納期に間に合わなくなる、うっかりミスなどが生じ、社会人になってから改めてご自分の特性に気付く場合もあります。
小学生の子どもの落ち着きがなく、ADHDなのか気になります
落ち着きがないことが個性か障害かといった判断は、専門医でないと正確な見極めはできません。当院では、ADHDの診断を行っており、お子様の強みを生かしながら、お悩みの改善に導くためのサポートやアドバイスを行っています。「もしかしたら」と感じることがありましたら、お気軽にご相談ください。
ADHDと診断された場合、どんな治療が行われますか?
ADHDの原因は脳内神経伝達物質であるドーパミンの不足ですので、不足を補う薬物療法を行った上で、必要があれば心理社会的治療を行い、環境調整やソーシャルスキルを身に付けるトレーニングなどを行うこともあります。
発達障害とリラクゼーション
タクティール®ケアは心地よさや安心感をもたらし、受け手は穏やかな気持ちを体感できます。また、身体が温まる、心地よい睡眠や深い呼吸ができるようになるなど自分自身の身体の認識や自己意識の向上、身体的・精神的な症状を和らげることがあります。
パーソナリティ障害
パーソナリティ障害とは
パーソナリティ障害は、認知や価値観、感情などが大多数の方と異なり、ご自分や周囲の方に悩みや苦痛が生じる障害です。多くの方と理解し合えない認知や判断によって、ご本人はつらい経験を重ねやすく、他の精神疾患の発症リスクも比較的高くなっています。
パーソナリティ障害の原因
はっきりとした原因はまだわかっていませんが、成長期に体験したトラウマや成長環境などが関与すると考えられています。
パーソナリティ障害の種類・症状
パーソナリティ障害は、症状の内容が異なる様々な種類があります。3つのグループに大きく分けられ、さらに10種類に分けることができます。
妄想性パーソナリティ障害
猜疑性パーソナリティ障害と呼ばれることもあります。悪意を向けられたわけでもない相手に対して根拠なく「利用される」「陥れられる」といった疑いの念を抱き、不安や警戒心を抱き続けてしまうことで人間関係に大きな悪影響を与えます。
統合失調型パーソナリティ障害
自分は他の人とは違うと感じることで、人間関係に居心地の悪さを感じ、他人との交流を避けたりします。また、思考や認知の歪みから、奇行のように感じられる行動を起こしてしまうこともあります。妄想なども生じますので、コミュニケーションにも困難が伴います。
シゾイドパーソナリティ障害
感情表現に乏しく、社会的関係から距離をとる、相手との関係構築に無関心などの特徴があります。そのため、仲良くなりたい・好きな人と話したいなどの要求もほとんどなく、孤立しやすい傾向があります。怒りを表に出すこともほとんどなく、挑発されても淡々としています。
反社会性パーソナリティ障害
自分が良いと思えば、周囲に配慮せずに行ってしまいます。他人への迷惑や罪悪感、社会的な損失などについても顧みることがなく、自分の行動によって周囲に被害が生じても自分を正当化し、自分が悪かったと責任を感じることはありません。
境界性パーソナリティ障害
孤独に対して恐怖心があり、拒絶を極度に恐れます。周囲に必要とされていると感じている間は落ち着いていますが、ご本人が拒絶されたと感じてしまうことがあると激高することもあります。少しでも否定されることに耐えられず、やむを得ない事情で約束をキャンセルした場合も拒絶されたと感じてしまうケースがあります。
演技性パーソナリティ障害
注目されることにこだわります。注目されるために奇抜なファッションや奇行に走ることもあります。ご自分よりも注目されている方に敵愾心を抱いて挑発するケースもあります。ご自分が注目されないと落ち込んでしまい、抑うつを生じる場合もあります。
自己愛性パーソナリティ障害
自分を過大評価してしまいます。他人を低く評価し、自分の実績や成果を誇張します。他人からの評価にも過敏であり、失敗しそうなことは避ける傾向があります。
強迫性パーソナリティ障害
こだわりのある対象にのめり込んでしまい、それ以外のことをおろそかにしてしまいます。こだわりの対象に関しては細かい部分まで気になり、仕事がうまく進まないこともあります。仕事にこだわってしまう方の場合は、交友関係や食事をないがしろにしてしまい、人間関係が続かない、栄養が偏って体調を崩すなどもあります。
依存性パーソナリティ障害
特定の相手に対して服従的になり、面倒を見てもらおうとします。自分を世話してほしいという気持ちが強く、ご自分の尊厳や自立などのことは考えません。相手に対してすがりつくような態度を取る傾向があります。
回避性パーソナリティ障害
他人からの拒絶・批判・紛糾といったネガティブな反応に対して強い恐怖心を持ちます。批判を恐れて発言しない、嫉妬されるのが嫌で昇進を断るなど、周囲が自分に対してネガティブな感情を持ちそうな状況を避ける傾向があります。
パーソナリティ障害の検査・治療
問診で患者様のお悩みや行動などについて丁寧にお話を伺い、診断しています。
患者様と相談しながら治療目標を立て、障害の内容や状態に合わせた心理療法や薬物療法をご提案しています。